アルマティの建築で、5本の指に入ると個人的に考えている建築を紹介します。

子供宮殿 (Republican Palace of Young Pioneers)

大きくて、木も多いので、なかなか全体が写るように写真が撮れません。

竣工は1979年から1984年(ロシア語なのでよく分かりません)

子供の学習用の施設ですが、展望台や、コンサートホールなどもあります。

 

 

(写真はネットより)

配置図や鳥瞰の写真を見れば分かるように、金色のドームを中心に螺旋を描いて、回転しています。

銀河のようなコスモロジーを表現しているように思います。

設計者は、キムという韓国人ですが(後、複数の設計者)、在留者かもしれません。どこの機関に属していたのか分かりませんが、

彼は、Republic Palace(旧レーニン宮殿、後ほど紹介します)にも携わっています。こちらはKazgor設計ですが、

ホームページ見ても、この子供宮殿は掲載されていませんので、違う機関かもしれません。

 

建物を順に回って写真を撮りましたが、こうやって見ると、螺旋の回転にあわせて、運動性、時間性をより強調したデザインがよく分かります。

下部は、水平線を強調する帯びに、垂直的要素であるジャイアントオーダーともいえるような柱型によるリズミカルなデザインを重ね合わせ、

ある種のレイヤーのようなデザインです。

外壁の石貼りも、横でなく縦にしています。

2段目のバルコニーの手すりの壁は、縦に石を張りながら、水平性を強調しています。

3段目は、ソビエト建築によくあるように、重い表現をしていますが、石は横貼りです。

ドームの左側の建物から順々に複雑かつよりリズミカルになっていくのが分かると思います。

最後の写真の建物は、その運動性の最終点になるわけですが、バルコニーはここで、スパッと止まります。

そして、シリンダーを伸ばした形状のもので蓋をするかのようにかぶせ、成長を停止させています。

この手法、日本の建築家、磯崎新が大分県立大分図書館(1966年)で行った「切断」と言う手法を想起させます。

(写真はネットより)

彼はその当時、メタボリズムに対するカウンター手法として、この切断を用いました。

建築における永遠なる時間軸に対して、スパッと切断し、「現在の瞬間」としてその切断面を表現したわけです。

 

この子供宮殿の場合、横に伸びたシリンダーに、にさらに開口部をつくり、切断するのではなく、

成長を停止させたもの自体がさらに成長しようとする意図が感じられます。

個人的に一番面白いのは、この最後の写真の建物を横から見たものです。

このうねり具合、現代で言うところの、バイオモルフィック・アーキテクチャーを想起させます。

そのトップにいるのが、ザハ・ハディットなわけですが、彼女も元は、ロシア構成主義が根底にあります。

特に、ヤコフ・チェルニコフのドローイングからの大きな影響を感じさせます。

しかし初期の彼女は、まだ直線的なデザインであり、曲線を用いた流動的なデザインは、1990年代に入ってからであります。

(もちろんコンピューターによるところが大きい)

そういった意味でも、子供宮殿におけるこの流動的なデザインは、その萌芽であったと言えるのかもしれません。

勿論この建築もチェルニコフからの影響を強く感じさせます。

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