1ヶ月ぶりの更新です。何とか先月中に書きたかったのですが忙しくて無理でした。。。

ethno-complex SUPARA 

http://supara.kg

キルギスの伝統的スタイルを踏襲したレストランコンプレックスです 。

昨年新しくオープンしたようで、こちらビシュケクの知人に勧められて行ってきました。

オーナーがキルギス人で、自らのキルギス人としての伝統とアイデンティティを表現しようとしたようです。

石積みの家、ユルタ、木造と多種多様です。

友人によると、キルギス人はもともと遊牧民でユルタに住んでいましたが、石積みの家にも住んでいたようです。

ちなみにキルギス人はカザフ人よりも日本人に似ていまして、肉が好きな民族が中央アジアに移動してキルギス人になり、

魚が好きな民族が東アジアに移り住んで日本人になったと言われるくらいです。カザフ人よりも似ています。

全てが手作りだそうで、とにかく細かいところまで物凄く丁寧に作られています。

中心に広場があり、その周囲をユルタが囲み、さらにその周辺に、石積みの家や、木造の建物が配置されています。

石積みの建物

石と言うよりも土で出来たものですが、壁圧が約400くらいあり、断熱効果は抜群です。

やはり壁構造なので、開口部が小さく、夜はいいのですが、さすがに昼間は日本人としてはきついですね。

ただ土の壁はとても心地よく感じられ、なにかしら呼吸しているのではないかという気にさせられます。

この石積みの建物は4つほどあるのですが、一つ一つ内装が違い、中の調度品も異なります。勿論全てハンドメイド。

 

 

 

 

 

 

 

 

中心の広場

 

広場を中心にしてユルタが配置されていますが、各々意味がありまして、

年配用、若者用、勇者(戦闘者用)等と分かれています。

何か祝祭的なものに使われ、その際色々と分かれるようです。

この茅葺のユルタと呼べるようなものは事務室ですが、このようなデザインをしたものは初めて見ました。

一つのユルタの内部

 

 

これらの周辺に巨大なユルタや木造の建物が配置されています。

説明によると中央アジアで最も巨大とされるユルタ

結婚式やイベントに使われると思います。

しかしこの大きなシャンデリアを支えるのに、構造的に非常に上部でないと無理だと思うのですが(しかも積雪荷重がかかる)

おそらく2重膜になっていて、写真で見えているのは装飾的なものでその中に構造が隠されていると思います。

 

前室の照明

 

ユルタの円形の外形に、さらに張り付いているわけですが(おそらくキッチン)、

カザフでは非常に珍しく殆どありません。

 

その後ろにあるのが、競技場のユルタです。

非常に軽やかで、日本の現代建築の軽さに通じるものを感じました。

こちらも構造的に大丈夫なのかと疑問を持ったのと同時に驚きでした。

競技場であるため、住居としての機能はいらない訳ですから、外部を透過性のシートで覆っているわけですが、

これがさらにこのユルタを軽やかに見せています。

こちらもユルタの外部に屋根が張り付いていますが、競技中の待合でしょう。

 

こちらは東屋のようなもので、夏場休む場所だと思いますが、

これにもビックリしました。形態的には花瓶を表現しているわけですが(店員の説明でもそうでした)

見た瞬間、 ウラジーミル・シューホフの設計したラジオ塔を想起させました。

http://ja.wikipedia.org/wiki/ウラジーミル・シューホフ

 

この背後にあるのがホテルです。まだ完成しておらず建設中でした。

ユルタに斜め屋根の建物を合体させているわけですが、正直驚いたというか目から鱗が落ちる様な思いでした。

こういうやり方があったのかとある種の衝撃を受けました。敷地の高低差をうまく利用しています。

最初に見た瞬間、藤森照信の建築を思い出したのですが、

縄文的、弥生的といわれる彼の建築は、確実にモダニズムを通過した建築であり、

作品によっては非常にモダニズム的だと思います。

しかしそれ以上に、堀口捨己の旧岡田邸を髣髴させました。

コンクリート造のモダニズムと数奇屋建築の統合、というよりも合体の建築ですが、それに近いような気がします。

伝統的というにはあまりにモダンだと思います(材料の話ではない)。

今後このようなユルタを設計する際(ユルタだけでなく)非常に参考にしたいと思います(笑。

 

全体的に細かいところまで非常に丁寧にデザインされており、隅々にまでオーナーの意思を感じる事が出来ました。

施工もいい加減ではなく(レベルの話ではない)本当に素晴らしいと思いましたし、物凄い感銘を受けました。

アルマティではまず実現できません。オーナーやクライアントの強い意志がないと無理でしょう。

店員と話したところ、オーナーは昔大学で建設を学んだようですが、

個人的には建設だけでなく、建築も勉強したのではないかと思います。

建設だけではこのようなデザインは出てこないと思います。

個人的には先のホテルや東屋のようなもの、ユルタに張り付いた部分から、構成主義の匂いを感じます。

機会があればこのブログを読んだ方も是非訪れて欲しいものです(ほぼ無理だと思いますが。。。)

 

ちなみに私が食べたものはキルギス伝統料理、馬肉のビシュパルマックでカザフにもありますが、

キルギス人はこちらが先だと言っています(実際はどちらが先か知りません) 。

カザフで食べたものと若干違いますが、こちらは一応高級レストランなので勿論美味しかったです。

多くの写真がオフィシャルサイトにありますので、そちらを御覧になるといいと思います。

伝統的な服を着た人が数多く現れます。

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