今回は表層的なデザインの集合住宅を紹介したいと思います。

以前からビシュケクの建築を紹介していますが、アルマティと比較して表層のデザインがかなり多彩といえるでしょう。

市の中心地には幾つかの大きな集合住宅がありますが、とりわけこれは非常に目立ちます。

というよりも圧倒的な存在感です。

おそらく70年代中旬当たりではないかと思うのですが、 ものすごい迫力があります。

特に特徴的なのが両サイドのパネルのような面的表現です。

2枚目の写真でよく分かると思うのですが、両サイドをそのまま折り返しているのではなく、少し突き出しています。

それによってより面的表現が強調されています。

しかしこの部分は何なのでしょうか?何かの部屋なんでしょうけど、プランを見てみたいですね。

比較的この建物に似たものがこの建物です。

こちらは一本隣のメイン通りにあるのですが、比較的おとなしく感じます。

コンクリートパネルを色々貼り付けていますね。

 

郊外にある典型的なプレキャストの集合住宅ですが、窓にアクセントをつけていますね。

 

バルコニーの真ん中部分の壁の開口部を工夫していますね。

おそらくキッチンではないかと思います。一度ビシュケクでこのような集合住宅の中に入った事があるのですが、

アルマティと同様とても狭いです。おそらくプランはアルマティの集合住宅と一緒でしょう。

大量生産のコンクリートパネル住宅ですから。

 

バルコニーの腰壁にパネルを貼り付けて波打たせています。

こちらブロックの裏側ですが、通りに面したファサードも同様です。

プロフィリットガラスのようなものを階段室に使っています。

1970年代 中旬以降でしょうが、最初からこのような腰壁であったかは分かりません。

もしかしたら後からつけたのかもしれません。

 

こちらも大通りに面したものですが、ファサードの一部に何かしら剥がれたようなデザインを施しています。

 

アルマティ同様、こちらにも縦ルーバーの建築がありますが、アルマティと比較して圧倒的に少ないです。

都市の規模が全く違うというのもあるでしょうが。

階段室に縦ルーバーを貼り付けたものです。このタイプはアルマティでもよく見られますね。 (ブログにて未紹介)

 

こちらは大通りと鉄道が交差する場所に建っていて非常に目立ちます。

集合住宅ではないですが、ルーバーを使っているのでここで紹介します。

おそらく何かのアドミニストレーションビルではないかと思いますが、

撮る際、タクシーの運転手に写真撮っても問題ないかと確認してから撮りました。

旧共産圏は、何かと問題があるのです。

何故アルマティなどにこのような縦ルーバーの建築が多いのか分かりませんが、

以前のブログでも書いたように、共産主義を表現するものとして何かしら様式化したのではないかと思っています。

しかしこの建物の場合、ルーバーの先を細めており、非常に柔らかい印象を受けます。

ピンクの外壁と相まって、洗練されたデザインですね。

この辺りに似たようなデザインの高層ビルが幾つか建っていますが、こちらが一番洗練されています。

(残念ながら写真無し)

 

こちらは前回紹介したカプセルが張り付いたような高層集合住宅があるとおりの近くにあるのですが、

非常に面白いというか、可愛らしいというかポップな印象を受けました。

住宅部分は、勿論上下階異なっているわけではなく、外装を交互にしているだけですね。

しかしそれだけでも印象が大分異なります。

この手法なら日本の古い公団マンションなどの改装に適応できるのではないでしょうか。

左側のレリーフは典型的なロシア時代のものですが、ポップなデザインと対照的ですね。

何を意味しているのかは分かりませんが。

 

 

ビシュケクにおける表層デザインを施したものの中で最も印象的なものがこちらです。

後から貼り付けたのか、それとも最初からこのようなデザインであったのか分かりません。

ただ写真で見るとおり、剥き出しの外壁のレンガに合わせて曲線をデザインしているものもあるので、

最初からこの通りであったかもしれません。

これとほぼ同じデザインの集合住宅がありまして、こちらは細長い建物になっています。

こちらの方がより迫力があるかもしれません。

(タクシーの運転手にこれは撮らないのかと言われたが、あそこにもある(写真のもの)と言って、止まらず撮りませんでした)

この写真を前回帰福した際、福田晴虔先生にもお見せしたのですが、

どういう背景からこのようなものが出てくるのかね、と聞かれたのですが、

私には正直分かりません。

おそらくイスラム的なものから来ているのではないかと思いますが、

年代的にも70年代後半からポストモダンの時代が強くなってくるわけでして、

ここキルギスでもそのような問題提起があったのではないかと思います。

ただこれが地域的なデザインかと言われると 、それとは全く様相が異なります。

 

しかしそれにしてもこれらの表層デザインは、画一的になりがちなプレキャストの集合住宅において、

非常に多彩な表情を都市にもたらしています。

これもまたビシュケクの魅力の1つでしょう。 

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