現在沖縄にいます。この時期の沖縄にいるのは約8年ぶりくらいでしょうか。沖縄の夏はやっぱり暑いです。

那覇空港から車で那覇市内に向かう途中いつもこの建物、那覇東町会館(県立郷土劇場)があったのですが、

老朽化に伴い2009年に解体されました。現在駐車場になっています。

設計は確か竹中工務店だったと思うのですが現在確認できず。1977年竣工です。

小さい頃から、那覇から名護に帰る途中いつも見ていましたので、無くなるとなんとなく寂しいですね。

ランドマーク的なものでしたから。

DSC01878

さて、パレットくもじの前にあった那覇市役所が、新しく出来ていました。設計は国建。

IMG_6458

左側には議会棟と沖縄県庁舎(設計は黒川紀章)があります。

ここ10年ほど、国建のデザインには縦のルーバーを使用する例が多いような気がします。

IMG_6461

旧那覇市役所(1967年)の設計は、故・金城信吉氏。沖縄を代表する建築家です。

金城信吉の展覧会が2011年にあったようですね。全く知りませんでした。。

「沖縄の原風景との対話・建築家金城信吉の世界」

個人的には彼が設計した旧那覇市役所の道路側の壁に赤瓦でしょうか、陶器を交互に配したものがあったのですが、

この壁は出来れば保存してもらいたかったというのが個人的な感想です。

http://img04.ti-da.net/usr/kumojicentral/%E5%B8%82%E5%BD%B9%E6%89%801.jpg

去年の11月、「NHKが映した沖縄」の放送にて、24年前に日曜美術館にて放送された「沖縄・未完の設計図~建築家・金城信吉~」が 放送されたのですが、残念ながら録画できませんでした。

是非とも見たかったです。

さて、名護市庁舎と名護市民会館を訪れてきました。

以前書きました3年ほど前の名護市庁舎のブログ

象設計集団と名護市庁舎

今回は写真が中心です。

IMG_6479 IMG_6482

IMG_6483 IMG_6484 IMG_6486 IMG_6487 IMG_6489

このアサギテラスの小梁に取り付けられたパイプ、この時初めて気がついたのですが、何のためでしょうか。

間に棒や紐をつけて、植栽を這わすためのものだったのでしょうか。

IMG_6490

1階雨端の下のレンガタイルの割付です。

IMG_6498

写真じゃちょっと分かりづらいですが、柱周りも異なっています。

下の写真のように、最初陶器のものを貼る予定だったのでしょうか。

IMG_6499

IMG_6500 IMG_6501 IMG_6502

今回初めて中の写真を撮りました。窓口案内にて聞いたところ、撮っても問題ないとの事。

IMG_6506 IMG_6504

天井高も十分にあり、広々として心地良いです・。スパンもかなり飛ばしていますね。

照明が取り付けられている片持ちのコンクリートは、以前は同じピンク色でした。

何年か前から黄色に塗り替えられたのですが理由は分かりません。

風の道と名づけられたボックス梁の所にエアコンが取り付けられているのが分かります。

柱で吊っているのでしょうか。

IMG_6510 IMG_6511

何度訪れてもいいですね。時が経つにつれてどんどん風格が増してきます。

4本柱が織り成す空間は、ガジュマルを想起させます。

個人的に出来れば世界遺産に組み込んでもらいたいですね。

シドニーのオペラハウスもすでに世界遺産になっていますから。

名護市庁舎のすぐ近くに名護市民会館がありますので立ち寄ってきました。

以前書いたブログ

首里城、玉陵、名護市民会館とドーモ・チャンプルー

IMG_6477

名護市庁舎から見た名護市民会館

IMG_6514

IMG_6543

水平のルーバーが白く塗られているのが分かります。以前は同じコンクリート色でしたが、ここ2年前ほどに塗り替えられました。

DSC05080

(写真は2010年のもの。以前はモニターもありませんでした)

設計は以前も書きましたように二基建築設計室(現在二基建築)。1985年竣工です。

先週那覇を訪れた際、公設市場の近くで古本屋さんを見つけました。どうやら日本で一番小さいようです。

そこで沖縄建設新聞から出版された「沖縄の建築」(1996年)を見つけました。そこに越智史郎氏が出てきます。彼が担当者だったのでしょうか。

この本については後ほど書きたいと思います。

この本によると、沖縄で初めてプレキャストが導入されたようです。

建物を見ていくと、プレキャストが使われているのが分かります。

IMG_6541

コンクリートのトラス梁がプレキャストです。左側にエキスパンション・ジョイントが見えますね。

IMG_6547

反対の海側から見た中庭

IMG_6318

スロープ

IMG_6319 IMG_6320 IMG_6321 IMG_6328 IMG_6336 IMG_6342

2階のテラス部分から見た写真ですが、この突き出た柱梁が大きな特徴です。

ルーバーの上にかけてあるコンクリートはプレキャストです。

IMG_6325

2階から入った内部。一部吹き抜けになっています。

IMG_6520

こちらは1階の外から見たホワイエ。プレキャストの梁を使っているのが分かりますね。

IMG_6531 IMG_6528

1階から2階へ続く螺旋階段。コーナーの梁が複雑に絡んでいます。

IMG_6326 IMG_6329

IMG_6330

IMG_6529

コーナー部分の梁。片方はつなげず、もう片方は連結しています。もの凄くアクロバティックですね。

IMG_6527 IMG_6523 IMG_6521 IMG_6542

1階部分から見た様子

IMG_6546

正面左側部分。ホールの壁に白い帯状のものが見えますが、おそらく補修だと思います。

IMG_6533 IMG_6515 IMG_6518

四方三面はこの巨大なコンクリートの列柱で囲まれています。その内側に入れ子のようにコンクリートブロックを使用した壁が入れ込まれています。

IMG_6539 IMG_6540

この規則正しく配置された列柱群によって形成された外観は、古典主義に近いものがあります。

個人的にイタリアの建築家、アルド・ロッシを想起させます。

先の本によると、越智氏は東大出身で、沖縄の女性と結婚してこちらにやって来たそうです。

学生時代沖縄にはよく訪れていたようで、沖縄の建築に強烈なインパクトを受け、地域・風土と建築の関わりを考えており、

この市民会館において、伝統的な切妻の形式と半屋外の中庭を主題に設計したようです。

彼によると、本土の庭は眺めるためのものであり庭自体で存在が完結しているのに比べ、

沖縄の場合は庭全体が生活の活動領域で、それをいかした空間にしたかったと述べています。

最初この中庭を訪れた際、この突き出た梁に注目がいったのですが、彼の説明を読んで理解しました。

これは屋根を抽象的に表現したものだと。

象が設計した名護市庁舎の後ですので、もちろんそれを意識していると思います。

名護市庁舎もアサギテラスを意識し、それを表現した構成になっていますが、

市民会館の場合、外側の外観は列柱を中心とした整然とした構成、中庭部分の内側は沖縄の歴史的要素を表現したものになっています。

しかし列柱にはルーバーを設け、その内側にスクリーンブロックを配し、強い影を落とした奥行きの深い構成です。

中庭も単に歴史的な表現ではなく、梁などにより強い影が生み出されます。

スロープ、ピロティ、ルーバーなどのモダニズム言語を駆使しながら、伝統的なものや古典を表現しています。

もしこれがコンクリートでなければ、下手するとキッチュな感じになっていたのかもしれません。

ポストモダンとモダニズムを組み合わせたコンクリート建築、沖縄におけるブルータリズムといえるでしょう。

以前にも書きましたように、コンクリートが沖縄の風土に良くなじんでいます。

沖縄を代表する建築の一つだと思います。

 

名護市民会館の前庭から見た名護市庁舎

IMG_6338

 

この近くに象設計集団がデザインした「21世紀の森」があります。こちらも琉球石灰岩を用いた構成になっています。

IMG_6312

広告