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House of Political Education. 現在はオフィスビルとして使用されています。

竣工は1981年ですが設計は1975年からはじめられたようです。

設計者はY. Ratushny、 O. Balkybayev、 T. Yeraliev で2011年に紹介したHouse officersと同じ建築家です。

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真ん中の重厚な外観の建物が会議ホール、両サイドがオフィス・管理棟です。

両サイドのオフィス棟は同様の外観で構成されています。

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ドスティック通り側から見たオフィス棟。

年代や時代背景からもポストモダンの建築デザインだと分かります。

事実この場所はドスティック通りをはさんでカザフスタンホテル、アバイ通りをはさんで古典主義の現キメフ大学があります。

これらを考慮に外観デザインがなされたようです。

DSC06199(ドスティック通り側のファサード。通りをはさんで右側にカザフスタンホテル)

 

https://www.google.com/maps/@43.2433711,76.9574221,560m/data=!3m1!1e3?hl

傾斜にそってオフィス棟を雁行配置させる手法は、以前紹介した集合住宅を髣髴させます。

もちろんこちらの方が早いと思いますが。

外観は非常にシンプルでHouse officersよりもかなり単純化・反復されています。

 

中央の会議棟が非常に重厚で、ソビエト建築のホールに良く見られるデザインですが、

上部妻側が斜めにはなっていません。

全体に調和させたのでしょうか。その結果非常にマッシブで剛直です。

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オフィス・管理棟やホール上部にはいつもの貝殻の堆積岩による横貼り構成されていますが、

こちらの柱は大理石で縦貼りにすることにより、垂直性が強調されています。

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手前と座席部分の床を支える柱とでも違うタイプの石を用いています。

白くペイントされた梁に対し、柱上部に三角上のものを載せ、それで梁を支えています。

ピン構造のように見えますが、実際はローラーに近いのでしょうか。

異なった石の貼りかた、種類を適用することにより、構造上の役割の違いを表現しています。

設計者、構造設計者のこだわりがここに見て取れます。

とくに白くペイントされた梁の表現はこの建築において大きな特徴となっています。

ソビエト建築の多くのホールは、メーリニコフノのルサコーフ・クラブ(1927)のように斜めに表現されたものが多いわけですが、

床を支える構造を表現したものはそんなに多くないと思われます。

ここにおいてその梁を白くペイントすることにより、周囲とは切り離された異質のオブジェかのように浮き上がっていきます。

夜間はこの部分にライトアップがなされ幻想的です(写真は無し)。

裏側は円形になっており、長方形とシリンダーを組み合わせた形態となっています。

アバイ通りとこの部分に間に集合住宅があり、通りから全く見えません。

ちょっと残念ですね。この部分のみが独自に存在していたとしても良かったと思います。

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長方形と円形を組み合わせるのは構成主義に良く見られる手法ですが、

そういえばコールハウスの台北芸術センターはそのような構成になっていますね。

あれは立方体に球や突き出したホールを差し込んでいるわけですが、

完全にレオニドフの手法を参照していると思います。

 

現在、裏側のオフィス棟に入居者はなく、全くの廃墟のようになっています。

IMG_2560(左がオフィス棟、右側は会議棟の裏側で円形になっている)

一部の窓ガラスが取り外されています。外壁の石もかなりはがれています。

痛みが激しくかなり荒んでいます。

かなりの施工不良のようで、床と壁の接合が不十分で雨漏りなどひどいようです。

構造的にも地震荷重に対して不十分なようです。

去年の終わりごろ、この建物を解体して、あらたにショッピングセンターを作るのではないかと言う記事が出ました。

その約2週間後、それを否定するかのように新たな改修案を盛り込んだ記事が出ました。

大学が入り、耐震改修などを行うようです。

外観は歴史的なものなのであまり変更しないようですが、

案を見る限り、垂直性のみ保持され若干どころか結構変更されています。

このまま残して欲しいところですが。

 

ちなみに前庭の大部分を噴水が占めています。

IMG_2541(撮影時期が冬なので水を抜いています)

ドスティック通りに面しているので、夏季は多くの人が憩っています。

ただ斜面に寄る高低差があるので、アクセスはいいとはいえません。歩行者通りから分断されています。

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改修案はこの辺をかなり良く対応していると思いますが、

パブリックスペースとしてアクセシビリティーは非常に重要なことだと思っています。

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