今回は映画館を紹介したいと思います。

ビシュケクの映画館は以前写真のみ少しだけ紹介しましたが、

アルマティの映画館は初めて紹介します。

1950年代から新たな映画館が建て始めたようです(以前は古典様式の建物を使用)。

ソビエト・モダニズム様式の建築が作られていきます。

1960年に映画館アラタウが建設されます。設計はドゥヤトロフ。

正面ファサードの構成は、真ん中がオープンで列柱を配した構成で若干古典主義を意識したデザインでしたが、

2000年に改修されその部分はガラスで覆われて、外壁も青くペイントされました。

(写真はWikipediaより引用)

2015年にマクドナルドの建設のため、残念ながら取り壊されてしまいました。

 

ツェリニー映画館

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建設は1963年です。設計者は今の所分かりません。

ある記事によると、以前紹介したサーカスの設計者、ウラジミール・カーツェフが設計したとありますが、定かではありません。

現在は映画館としては営業しておらず、元はここがマクドナルドに建て替えられる可能性があり、

解体か建物の後ろにあるニコライ教会の外観を通りから見えるようにするため外観変更の可能性がありましたが、

市に譲渡され伝統芸術のアートセンターやギャラリーになることが決定しました。

外壁に施されたレリーフは、グラフィックデザイナー、イエヴゲニ・マトヴェエビッチによってデザインされています。

ただ1998年あたりの写真を見ると外壁には何もありませんので、後から壁画として書かれたと思います。

内部にもあるようですが、入ったことがないのでどのようなものか分かりません。

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アルマン映画館

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設計はコルジェムポ、パニン。1968年に竣工です。

白くペイントされたマッシブな四角い箱に、正面・側面ファサードに施されたレリーフが非常に印象的です。

壁画家コンスタンチンによるものです。創建当時からあるものと思われます。

2階部分が1階部分よりもせり出しており、いかにもソビエト建築といったソリッド感です。

建物上部に白いテントのようなものが張り巡らせれていますが、もとは金属製の装飾です。

以前は覆われておらず見えていたような気がします。

手前にバーガー・キングがありますが、昨年ほど前に増築されています。

1階エントランスの三角形の部分も後から取り付けられたものです。

現在、アルマティ市の歴史的建造物のリストに加えられています。

 

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入り口から見て左側の側面ファサードのレリーフですが、コンスタンチンによるもので、

兵士、宇宙飛行士、女性の革命、豊作などを表現しているようです。

 

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バックヤード側の側面。ファサードです。

外壁に取り付けられた突起物が単調な外観に変化を与えています。

特に日差しがある日は影を生み出し、白い平面に奥行きと深みを与えています。

 

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こちらはピラミッド状のトップライトを伴った内部の吹き抜けのホールです。

壁に石が貼っておりレリーフが取り付けられています。

イスラム的な表現をかたどった門の形をしたレリーフが正面左側に見えます。

どうやら以前はここは屋根がかかっていない外部の中庭だったようです。

 

ArchCodeというアルマティの歴史的ソビエト建築の保存を呼びかける団体がありまして、

建築ツアーを行ったり、フォーラムを行ったりといろいろ活動しておりまして、

私も時たま参加したりしているのですが、そのツアー中にこちらを訪れ中に入りました。

ソビエト時代から働いているらしいロシア人女性が参加者にいろいろ説明していまして(もちろんロシア語)、

その後、参加者に通訳してもらい、この中庭はイスラム的なものを表現していたのかと質問したのですが、

彼女はそうではないと答えました。ただ全くの建築外の人なので確かなのかちょっと分かりませんが、

アルマティのソビエト建築で初めて中庭を設けた建築を目にしました。

 

以前紹介しました「Architecture of the Soviet」に中庭だけの写真が小さく掲載されていまして、

雪が積もってよく分からないのですが、レリーフの下に噴水のようなものがあります(現在は既に取り除かれている)。

このレリーフの意味が解読できれば、この中庭の意味も分かってくると思うのですが、

今の所は分かりません。ロシア語が完全に分かってればと思うのですが。

アルマティで中庭を設けた最初のソビエト建築だとすれば、非常に重要な意義を持っているのではないでしょうか。

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